印刷・塗料工場、半導体工場から排出されるガスにはBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)といった有害な有機化合物が多く含まれています。これらのBTXを始めとする揮発性有機化合物(VOC;Volatile Organic Compounds )は世界的に排出規制の対象となっています。

VOCガスの処理方法としては

1. 排ガスからVOCを回収し、原料として再使用する。

2. 燃焼処理によりVOCを分解してから放出する。

が挙げられますが、当社のハイシリカゼオライトは、その両方の処理に有効な吸着剤として使用されています。
例えば、VOC成分が単一成分の場合、排ガスを図-1の様なVOC吸着用ゼオライトを充填した吸着塔に導入し排ガス中のVOC成分を吸着分離します。吸着塔再生過程で濃縮することにより原料として再使用が可能となります。この方式は、塩化メチレン、アセトン排ガス回収等で実績が有ります。

図-1 PSAシステムの例

図-1 TSAシステムの例

一方、排ガス中のVOC成分が多成分の場合は、回収しても原料としての再使用が難しいので触媒燃焼処理される場合が殆どですが、この場合には図-2に示した様なVOC吸着用ゼオライトを添着した濃縮ローターにより、排ガス中のVOC濃度を高め、燃焼分解処理の効率化が図られています。

【ローター例】

図-2